「リーダーになって、何が変わりましたか?」
よく聞かれる質問です。正直に答えると、ラクになった部分はひとつもありません。自分の数字を追うのと、メンバー一人ひとりの成長を預かるのとでは、責任の重さがまるで違う。それでも今、「この仕事をやっていてよかった」と心から思える瞬間が、以前より確実に増えました。
今回お話を聞いたのは、営業チームを率いるリーダー。前職でも営業を経験し、「求職者」として当社の門を叩いた一人です。同じように転職を検討している営業経験者の方に向けて、入社の経緯から、チームを預かる現場のリアル、うまくいかなかった日々まで、できるだけ飾らずに語ってもらいました。(人事部:竹内)
前職はベンチャーのマネージャー。それでも、この会社を選んだ理由
前職で役職についていたにもかかわらず、転職を考えたのはなぜですか?
前職は、前職では営業職として、複数名を束ねるマネージャーをしていました。実態としては、自分も最前線で数字を背負うプレイングマネージャー。少人数で裁量も大きく、商談から育成まで一気通貫でやれる面白さがあり、いい経験をさせてもらったと、今でも思っています。
転職を考えたのは、ネガティブな理由というより、「もう一段、上に行きたい」という前向きな欲からでした。ベンチャーでは、人の育て方も組織のつくり方も、結局は自分の我流。それでも回ってはいたけれど、ある時ふと気づいたんです。「我流のままだと、自分が伸ばせる人数にも、預かる事業の大きさにも、いずれ天井が来る」と。
だったら次は、個人の力技ではなく、仕組みと文化で人と事業を伸ばしている会社で、自分を鍛え直したいと考えました。
他社と比べて、「この会社ならでは」だと感じた瞬間は、どんなときでしたか?
決め手は、二つありました。
ひとつは、創業から間もないのに伸び続けている会社だということ。もうひとつは、仕事の難しさを隠さず話してくれたことです。
多くの企業の面接を受ける中で、伸びている会社ほど採用に本気だと気づきました。当社は一次面接からマネージャーが出てきて、事業の課題を惜しみなく話してくれた。しかも、社員全員が同じ方向を向いて、その課題を解こうとしている。ここが、前職との一番の違いでした。前職は、正直に言えば管理職だけが必死に走っていて、温度差のある社員も少なくなかった。人事が胸を張って「全員が同じ方向を向いている」と言い切れる会社は、数多くの面接の中でも本当に少なかったんです。
もうひとつの「難しさを隠さない」姿勢も、印象に残っています。この会社ならではの厳しさ、事業を伸ばす難しさなど、都合の悪い部分まで包み隠さず話してくれました。短期的には印象を下げてでも、長期的な目線で、一緒に事業を進めていく前提で正直に伝えてもらえたのが、営業の感覚としてとても誠実だと感じました。だからこそ「ここは信頼できる会社だ」と思えたんです。
入社を決めるとき、迷いや不安はありませんでしたか?
ありました。一番は「自分の営業スタイルが通用するのか」。前職のやり方が染みついていたので、それを一度捨てる覚悟がいるんじゃないかと身構えていました。営業経験者の転職には、過去の成功体験がかえって足かせになるリスクが付きものですから。
ただ実際は、「捨てる」必要はなかった。むしろこれまでの経験を土台にしていい、と言われました。要は、引き出しを捨てるのではなく、使う場面の見極めを更新していく作業だったんです。ゼロからのやり直しではなく、持っているものをアップデートしていく感覚。この点は、経験者の方ほど安心してもらえると思います。
いま、チームを預かるという日常
プレイヤー時代と比べて、一番変わったことは何ですか?
一つの営業チームのリーダーとして、メンバー4名を見ています。日々の動きは、KPIの数字を摺り合わせたり、相談に乗ったり、振り返りの場をつくったりといったことです。自分もプレイヤーとして数字は持っていますが、メンバーのサポートも任されています。
一番変わったのは「成果のレバーがどこにあるか」です。プレイヤーは、自分の行動量がそのまま結果になります。でもリーダーは、自分が頑張るほどチームが伸びるとは限りません。むしろ抱え込むほど、メンバーの成長機会を奪ってしまいます。ですから今は「いかに自分を介さず成果が出る状態をつくるか」を考えています。
自分が動く営業から、仕組みで動かす営業へ。同じ営業でも、使う筋肉がまるで違っていて、最初はかなり戸惑いました。
チームの雰囲気は、どんな感じですか?
ひとことで言うと「前向きに働ける」チームです。当社には、成長したいと思える環境(評価制度など)が整っています。ただ、環境がそろっていても、それをプラスに変えられるかはリーダー次第だと思っています。
だから意識しているのは、できなかったことを責めるのではなく、「次にどうつなげるか」を全員で考えることです。仕事に失敗はつきものですから、うまくいかなかったタイミングこそ、次にどう改善するかをチームで話し合うようにしています。
一つの失敗を全員の学びに変えて、また前を向けるチーム作りをしていく意識を持つようにしています。
やりがいと、乗り越えてきた壁
リーダーになって、最初の壁は何でしたか?
前職でもマネージャーを経験していたので、リーダー職に就くこと自体に、大きなギャップは感じませんでした。現状、課題となっているのは、会社の売上は伸びていますが、一人ひとりの売上平均が上がっていないことが課題となっています。リーダーには個々の売上を最大化していくこともミッションがあります。
私のチームには、私より先に入社したメンバーも少なくありません。そのメンバーに、これまでのやり方を一度崩してもらい、新しいやり方へと育成し直していくこと。そこが、課題であり、現状のマネジメントの難しさでした。
メンバーがさらに数字を伸ばすには、これまでのやり方を「変化をさせ進化」させる必要があります。これは、ゼロから教えるよりも難しいと感じています。すでに成果を出している人に、うまくいっているやり方を変えてもらうわけですから。しかも私は、入社して1年ほど。先に現場を知るメンバーに、どう納得して変わってもらうか。ここは正直、今も難しさを感じ続けているところです。
いま、一番やりがいを感じるのはどんなときですか?
リーダーになってやりがいの種類そのものが変わったと感じています。大きく二つあります。
一つは、チーム全員で「大きな数字の壁」を越えたときの、圧倒的な達成感です。個人で出せる数字には、どうしても上限があります。でも、一人では到底届かない目標に、チームの力を結集して手が届いたときは、プレイヤー時代には味わえなかったものです。
二つ目は、個人の営業力から事業を伸ばすことへ意識が向き、見える景色が広がったことです。成果の主語が「自分」から「チーム」、そして「事業」へと変わっていく。不思議なもので、自分の直接の手柄は減っていくのに、満足度はむしろ上がっていきます。この視座の切り替えを面白いと思えるかどうかが、リーダーを続けられるかの分かれ目かもしれません。
リーダーとして、これから目指すこと
これから、どんなチームをつくっていきたいですか?
目標は「自分がいなくても成長を続けるチーム」です。リーダーが一人で引っ張るチームは、一見強そうに見えて、実はもろい。その人が抜けた瞬間に、ノウハウごと止まってしまうからです。
私が目指すのは、その逆。一人ひとりが自分で考えて動けて、メンバー同士で課題を解き合える。私がいちいち介在しなくても、勝手に学び合って伸びていく。そんな自走する状態です。
大月さんの次の目標を教えてください。
個人的な目標は、「リーダーを育てるリーダー」になることです。会社が拡大していくフェーズでは、成果を出せる人だけでなく、「成果を出せる人を増やせる人」が必要になります。
自分が任されてきたものを、今度は次の世代へ渡していくことで、事業がさらに飛躍していくと考えています。